NDロードスターの車高調はださい?乗り心地は悪い?改善ポイント5つ

ロードスター

念願のNDロードスターが納車されて半年。週末のドライブも板につき、愛車への愛着が深まってきた頃ではないでしょうか。

しかし、ふと駐車場に停めた愛車を振り返った時、ある違和感に襲われたことはありませんか?
タイヤとフェンダーの間に、拳がすっぽり入ってしまうほどの広い隙間。「スポーツカーなのになんか腰高で、締まりがないな……」と。SNSで流れてくる、低く構えたカッコいいロードスターの写真と見比べて、少しだけ劣等感を抱いてしまったかもしれません。

「車高を下げて、もっとスタイリッシュにしたい」

そう思うのは当然です。しかし同時に、あなたの脳裏にはこんな不安がよぎっているはずです。「車高調を入れると、乗り心地が悪くなるんじゃないか?」「昔乗っていた改造車みたいにガタガタ跳ねて、助手席の妻に嫌な顔をされるのは絶対に避けたい」

安心してください。その悩み、物理的に解決できます。

実は、NDロードスターには「指2本」という黄金の高さや、「1G締め」という必須工程など、乗り心地を犠牲にしないための明確なルールが存在します。

失敗しないための「5つの改善ポイント」を包み隠さずお伝えします。

この記事のポイント

・乗り心地悪化の主因は製品ではなく「下げすぎ」と「1G締め不足」

・ダウン量は「指2本(-30mm)」に留め、底付きとアーム角悪化を防ぐ

・施工時は「1G締め」が必須、ブッシュのねじれを解消し本来の性能を引き出す

・街乗り派は「複筒式」を選び、リア用延長ケーブルを必ず装着する

なぜNDロードスターの「車高調=乗り心地が悪い」と言われるのか?

NDロードスターを車高調でローダウン!

具体的な改善ポイントに入る前に、まず誤解を解いておきたいのは、「車高調を入れること自体が悪ではない」ということです。世間で言われる「車高調=乗り心地が悪い」という定説は、その多くが「下げすぎ」と「取り付けミス」によって引き起こされています。

純正車高が高いのは「手抜き」ではない

そもそも、なぜマツダはあんなに車高を高く設定したのでしょうか?
それは、タイヤチェーンを装着するスペースを確保するという実用的な理由に加え、「ロール(車体の傾き)を積極的に活用して曲がる」というマツダの設計思想があるからです。

サスペンションが大きく動く(ストロークする)ことで、ドライバーは車の挙動を掌で感じるように把握できます。これが「人馬一体」の源泉です。純正の足回りは、あらゆる路面状況で安全に走れるように計算し尽くされた、メーカーの良心の塊なのです。

乗り心地悪化の真犯人は「ストローク不足」

しかし、見た目を重視するあまり、この計算されたバランスを崩してしまうケースが後を絶ちません。
NDロードスターのサスペンションは、構造上、車高を下げるとすぐに「バンプタッチ(底付き)」という現象を起こします。これは、サスペンションが縮みきってしまい、衝撃吸収の役割を果たせなくなる状態です。

こうなると、路面の段差をゴムの塊(バンプラバー)で直接受け止めることになり、強烈な突き上げが発生します。これが「乗り心地が悪い」の正体です。つまり、悪いのは車高調という製品そのものではなく、物理法則を無視したセッティングにあるのです。

【セッティング編】NDロードスターの乗り心地を劇的に変える2つの改善ポイント

では、どうすれば見た目と乗り心地を両立できるのか。まずは、製品選び以前に最も重要な「セッティング(調整・取り付け)」に関する2つの改善ポイントから解説します。

ポイント1:ダウン量は「指2本(-30mm)」を死守する

私が20年の経験から導き出した結論は、フェンダーとタイヤの隙間が「指2本(約30mmダウン)」の状態です。これが、NDロードスターにおける見た目と機能性の幾何学的な限界点です。

なぜ「指2本」が黄金比なのか
この数値には、明確な物理的根拠があります。

  1. サスペンションストロークの確保:
    これ以上下げると、前述したバンプタッチが頻発し始めます。指2本の高さを確保していれば、街中のマンホールや継ぎ目を越える際も、サスペンションがしっかりと仕事をして衝撃を吸収してくれます。
  2. アーム角度の適正化:
    指2本(-30mm)とサスペンションアームの角度は、密接なトレードオフの関係にあります。 車高を下げすぎると、アームが万歳をしたような角度になり、路面からの入力に対してスムーズに動けなくなります。指2本であれば、アームが適正な角度を保ち、しなやかな動きを維持できます。

ポイント2:取り付け時は必ず「1G締め」を依頼する

ここが、この記事で最も重要なパートです。
どんなに高価で高性能な車高調を買ったとしても、この「1G締め(ワンジーじめ)」という作業を行わなければ、その性能は半分も発揮されず、乗り心地は確実に悪化します。

1G締めとは何か?

車高調を取り付ける際、車をリフトアップしてタイヤが浮いた状態でボルトを締め付けるのが一般的です。しかし、この状態で締め付けてしまうと、車を地面に降ろした(1Gがかかった)瞬間に、サスペンションの可動部にあるゴムブッシュがねじれてしまいます。

これを「ブッシュのねじれ」と言います。雑巾を固く絞った状態を想像してください。その状態でさらに雑巾を動かそうとしても、反発力が強くて動きませんよね?
車でも同じことが起きます。ねじれたブッシュがサスペンションの動きを阻害し、常に突っ張ったような、ゴツゴツとした不快な乗り味を生み出してしまうのです。

1G締めと乗り心地の因果関係

1G締めとは、このブッシュのねじれを開放し、乗り心地を正常化するための必須工程です。
一度ボルトを仮締めし、車を地面に接地させて1Gをかけた状態で、再度ボルトを本締めします。これにより、ブッシュはニュートラルな状態になり、サスペンションは本来の設計通りスムーズに動くようになります。

ショップに見積もりを依頼する際は、必ずこう聞いてください。
「取り付け工賃に、1G締めは含まれていますか?」
もし「必要ないですよ」と言うショップがあれば、そこでの作業は避けた方が無難です。それほどまでに、NDロードスターにとって1G締めは生命線なのです。

【選び方編】NDロードスターの車高調で失敗しないための3つの改善ポイント

セッティングの重要性を理解した上で、具体的にどの製品を選べばいいのか。街乗りメインのあなたが選ぶべき車高調には、3つの条件があります。

ポイント3:街乗りなら「複筒式」の構造を選ぶ

ダンパーには「単筒式」と「複筒式」がありますが、街乗りでの快適性を最優先するなら複筒式(ツインチューブ)一択です。

複筒式ダンパーは、ガス圧が低くストロークを確保しやすいため、街乗り特有の細かい凹凸をマイルドにいなしてくれます。 一方、単筒式は放熱性に優れサーキット走行には向いていますが、ガス圧が高く、どうしてもコツコツとした硬さが出やすくなります。
(代表的な複筒式製品例:TEIN FLEX Z, KW Version-1 / ST X など)

ポイント4:バネレートは「F:6k/R:4k」を目安にする

バネの硬さを示すバネレート。サーキットを走らないのであれば、フロント5〜6kg/mm、リア3〜4kg/mmあたりがベストバランスです。

これ以上硬くすると、街乗りでは跳ねてしまい、同乗者からクレームが来る可能性が高まります。純正のバネレートが非常に柔らかい設定(F:約2k/R:約1k ※グレードによる)であることを考慮しても、これくらいのレートアップが「スポーティかつ快適」と感じられる上限値です。

ポイント5:リアには「減衰力調整延長ケーブル」を付ける

これは製品選びというより、同時購入すべき必須アイテムです。
NDロードスターは構造上、リアの減衰力調整ダイヤルがトランクの内装の奥深くに隠れてしまいます。

これがないと、せっかく調整機能付きの車高調を買っても、調整するたびに内装を剥がすことになり、結局面倒で触らなくなります。「延長ケーブル(フレキシブルコントローラー)」を装着して、トランクから手軽に調整できるようにしておくことが、長く快適に乗るための秘訣です。

📊 【街乗り派におすすめの車高調スペック比較表】

項目推奨スペック理由
構造複筒式ガス圧が低く、突き上げ感が少ないため、街乗りでもマイルドで快適な乗り味になる
バネレートF:5〜6k / R:3〜4k街乗りの速度域でもサスペンションがしっかり動き、乗り心地と安定感を両立できる
アッパーマウント純正流用 または 強化ゴムピロボールはダイレクト感が増す反面、異音が出やすく街乗りには不向き
必須オプション延長ケーブルNDロードスター特有の仕様対策。リア側の減衰力調整を簡単に行えるようにするため

NDロードスターの車高調でよくある疑問(輪止め、車検、異音)

Q: 車検は通りますか?

A: はい、通ります。「指2本(約30mmダウン)」の状態であれば、最低地上高9cmは余裕を持ってクリアできます。ただし、マフラーなどを交換している場合は、そのパイプ位置が低くなることがあるので注意が必要です。

Q: コンビニの輪止めで擦りませんか?

A: 前向き駐車は避けた方が無難です。NDロードスターはフロントオーバーハングが長めなので、純正車高でも擦ることがあります。バック駐車であれば、一般的な輪止めならほぼ問題ありませんが、ゆっくり下がる癖をつけましょう。

Q: 異音(コトコト音)は出ませんか?

A: 正しい取り付けと1G締めを行っていれば、新品状態で異音が出ることは稀です。ただし、数万キロ走行すると消耗品の劣化で音が出ることがあります。その際はオーバーホール(分解整備)の時期だと考えましょう。

NDロードスター車高調のまとめ:「パパの車、カッコいいね」と言われる未来へ

NDロードスターの車高調選びで大切なのは、カタログスペックの「最大ダウン量」を競うことではありません。
今回ご紹介した「5つの改善ポイント」を守ること。特に「指2本(-30mm)」という物理的なスイートスポットを守り、「1G締め」というプロのひと手間を加えることが何より重要です。

この黄金律さえ守れば、あなたの愛車は見違えるほどスタイリッシュになり、走り出した瞬間に「おっ、純正よりしっとりしている!」と感動するはずです。

週末、奥様を助手席に乗せてドライブに出かけた時、「あれ? なんか乗り心地良くなった?」と驚かれる。そして、車を降りて振り返った時、低く構えた愛車の姿に思わずニヤリとする。
そんな最高のロードスターライフを手に入れるために、まずは信頼できるショップで「1G締め込み」の見積もりを取ることから始めてみてください。


参考文献

raguo

この「Luxury x Cruise」では、専門的な知識をわかりやすく噛み砕きながら、車の魅力を発信していきます。
これから車を購入しようと考えている方、ドライブが好きな方、そして私と同じように車を愛する全ての方にとって、少しでも有益で、ワクワクするような情報をお届けできれば幸いです。

raguoをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました