「念願のNDロードスターでロングツーリング。最高に楽しいはずが、帰路は腰の痛みとの戦いだった…」
そんな経験はありませんか?
せっかく手に入れた愛車なのに、「このままでは乗れなくなるかもしれない」という不安は、本当に辛いものです。
「やっぱりレカロに交換するしかないのか…」と諦めかけているあなたへ。
少し待ってください。その痛み、すぐに数十万円のシート交換をしなくても解決できる可能性があります。
NDオーナーである私が、純正の美しい内装を崩さずに実践できる「5つの改善方法」を段階的に伝授します。まずはここにある方法を試してからでも、交換は遅くありません。
・ND特有の腰痛原因は、シートの「ハンモック構造」による骨盤の沈み込み
・まずはシートを前に出す「ドラポジ調整」で骨盤を立て、0円で改善を図る
・純正の見た目を守るなら、内部への「隠しランバーサポート」やフットレストを活用
・最終手段のシート交換は、干渉ゼロで内装に馴染む専用設計「エスケレート」が最適
なぜNDロードスターだけ腰が痛くなるのか?犯人は「ハンモック構造」

まず、あなたの腰痛の原因が「あなたの体」ではなく、「車の構造」にあることを理解してください。NDロードスターのシートは、軽量化を極限まで追求するために開発された「S-fit(エスフィット)」と呼ばれる特殊な構造を採用しています。
通常の自動車シートは、金属製のバネ(スプリング)とウレタンで体を支えます。しかし、NDロードスターのシートは、バネを一切使わず、ネット素材を張り巡らせた「ハンモック構造」になっています。
この構造は、軽量で路面からの微振動を吸収する点では非常に優れています。しかし、バネによる反発力が不足しやすいため、長時間座っていると、どうしてもお尻が沈み込んでしまいます。
お尻が沈み込むと、骨盤は後ろに倒れ(後傾)、背骨が「くの字(猫背)」の状態になります。
これが、NDロードスター特有の腰痛の正体です。つまり、「ハンモック構造」が引き起こす「骨盤後傾」こそが、痛みの根本原因なのです。
まずはNDロードスター純正シートのまま!0円〜数千円でできる改善策3選
痛みの原因が「骨盤の後傾」にあるなら、対策はシンプルです。「骨盤を立てる」こと、そして「姿勢を安定させる」ことです。まずは、お金をかけずに今すぐできることから始めましょう。
【改善1】マツダ公式推奨!骨盤を立てる「ドラポジ調整」
NDのシートレールは、単に前後するだけでなく、「前に出すと座面の後ろ側が上がり、後ろに下げると下がる」というリンク機構を持っています。この特性を利用して、骨盤を強制的に立たせるポジションを作ります。
- お尻を深くねじ込む:
まず、お尻を背もたれと座面の隙間にこれでもかというほど深く押し込んで座ります。これが全ての基本です。 - シートを「少し前」に出す:
ここがポイントです。普段より1ノッチ(一段階)だけシートを前に出してみてください。ドライビングポジションを前に調整することで、リンク機構により座面後方が持ち上がり、自然と骨盤が立ちやすくなります。 - 背もたれを立てる:
骨盤が立った状態で、背中全体がシートに密着するよう、背もたれを少し起こします。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「少し窮屈かな?」と感じるくらいが、実は腰にはベストな位置です。
なぜなら、多くの人が足を伸ばしすぎて骨盤が寝てしまっているからです。開発者時代、テストドライバーも最初は窮屈がりますが、長距離を走ると「この方が疲れない」と必ず納得してくれました。まずは騙されたと思って、1ノッチ前に出してみてください。
【改善2】左足の踏ん張りを確保する「フットレスト」の活用
意外に見落とされがちですが、「左足」が遊んでいると、カーブのたびに体が揺れ、それを支えようとして腰の筋肉が緊張し続けます。 これが腰痛を加速させます。
- 左足は常にフットレストへ:
クラッチ操作(ATなら待機中)以外の時間は、必ず左足をフットレストに置き、軽く踏ん張ることで骨盤をシートに押し付けます。 - フットレストバーの導入(推奨):
純正のフットレスト位置が遠いと感じる場合、社外品の「フットレストバー(ニーレックス等)」を導入するのも効果的です。左足の位置が決まると、驚くほど下半身が安定し、腰への負担が減ります。
【改善3】見た目はそのまま。「隠しランバーサポート」DIY

「ドラポジ調整はやった。でも、やっぱり長距離だと腰が痛い…」
そんなあなたには、外見を一切変えずに、シート内部にクッション機能を埋め込むDIYがおすすめです。
- 材料の準備:
100円ショップの「洗濯ネット」と「ハンドタオル(数枚)」、またはAmazonなどで購入できる「エア式ランバーサポート」を用意します。 - 背面のファスナーを開ける:
NDロードスターのシート背面には、実はファスナーが付いています。これを下から慎重に開けます。 - 詰め物をセットする:
ウレタンと表皮の間に、用意したタオルやエアクッションを挿入します。入れる位置は、座った時に「ベルトのライン」が当たるあたりです。
隠しランバーサポートは、純正内装との親和性が極めて高いのが特徴です。見た目はノーマルのまま、機能だけをアップデートできる、まさに純正派のための裏技です。
それでもダメなら…投資効果抜群の本格対策2選
DIYでも限界を感じる場合、あるいはもっと積極的に快適性を追求したい場合は、信頼できる製品の力を借りましょう。ここでも「純正の世界観」を壊さない選択肢を厳選しました。
【改善4】医療・福祉レベルの座り心地「高機能クッション」
「クッションを置きたいけれど、厚みのあるものは座面が狭くなるし、見た目も悪い…」
そんな悩みを解決するのが、医療・福祉分野で実績のあるEXGEL(エクスジェル)などの高機能薄型クッションです。
- なぜEXGELなのか:
一般的なウレタンと異なり、衝撃吸収性と体圧分散性が極めて高いため、わずか数ミリ〜1センチ程度の厚さで十分な効果を発揮します。 - メリット:
薄いため、座面が狭くなったり、アイポイント(視線の高さ)が変わりすぎたりすることがありません。 - 選び方:
「ハグドライブ」シリーズなど、自動車専用に設計されたモデルを選んでください。腰だけでなく、お尻の微振動もカットしてくれるため、ロードスターの突き上げ感がマイルドになります。
【改善5】最終手段にして最適解。専用設計「エスケレート」
これまでの4つの方法を試しても満足できない場合。ここで初めて、「シート交換」という選択肢が現実味を帯びてきます。
しかし、安易にレカロ(RECARO)を選ぶ前に検討してほしいブランドがあります。それが「ESQUELETO(エスケレート)」です。
ESQUELETO(エスケレート)とRECARO(レカロ)は、どちらも素晴らしいシートですが、NDロードスターとの「マッチング」において決定的な違いがあります。
📊 比較表
【NDロードスターにおけるシート選びの比較(純正 vs レカロ vs エスケレート)】
| 比較項目 | 純正シート | RECARO(汎用モデル) | ESQUELETO(Type-1) |
|---|---|---|---|
| 腰痛対策 | △(調整が必要) | ◎(構造的に優秀) | ◎(日本人の体型に特化) |
| 内装マッチング | ◎(完璧) | △(モデルによる) | ◎(純正のような一体感) |
| 干渉リスク | なし | あり(ドア・センターコンソールに干渉する場合あり) | なし(完全専用設計) |
| 車検対応 | ◎ | ○(シートレール仕様による) | ◎(保安基準適合) |
| 価格帯 | ― | 約15万〜30万円 | 約10万〜18万円 |
エスケレートの最大の特徴は、「NDロードスター専用設計」であることです。
汎用品であるレカロの一部モデルは、NDのタイトな室内に収める際、ドアトリムやセンターコンソールに干渉したり、シート位置が上がりすぎたりすることがあります。
対してエスケレートは、NDのために設計されているため、干渉はゼロ。さらに、純正の内装色に合わせた生地オーダーも可能で、「まるで最初からそこにあったかのような」佇まいを実現できます。
エスケレートのシートは、ロードスターの狭い室内でもドライビングポジションを最適化できるよう、専用に設計されています。
NDロードスターシートのよくある質問 (FAQ)
Q. 市販の安いランバーサポートクッションでも効果はありますか?
A. 厚みのあるものは逆効果になることが多いので注意が必要です。
カー用品店などで売られている一般的なランバーサポートは、厚みが5cm以上あるものが多く、NDロードスターのシートには不向きです。NDのシートは座面の奥行き(長さ)が短いため、背中に厚いクッションを入れると座面がさらに狭くなり、お尻が前に滑って姿勢が崩れる原因になります。
もし市販品を使う場合は、厚さ1〜2cm程度の薄型のものを選ぶか、タオルなどで微調整することをおすすめします。
Q. フルバケットシートにすると、乗り降りが大変になりませんか?
A. 正直に言えば、乗り降りには「慣れ」が必要です。
フルバケットシート(エスケレートType-1など)は、太ももの横が高くなっているため、純正シートのようにスムーズな乗り降りはしづらくなります。
しかし、一度座ってしまえば、体全体が包み込まれるため、無駄な力が入らず、純正シートより遥かに楽です。長距離移動後の疲労感は劇的に少なくなります。「乗り降りの数秒の不便さ」と「運転中の数時間の快適さ」を天秤にかければ、多くのオーナーが後者を選ぶ理由がわかるはずです。
NDロードスター「人馬一体」を取り戻すために、まずは調整から始めよう
NDロードスターの腰痛は、決して「我慢して乗るもの」ではありません。
原因である「ハンモック構造による骨盤後傾」を理解し、正しく対策すれば、必ず改善できます。
今回ご紹介した5つのステップを振り返りましょう。
- ドラポジ調整: シートを1ノッチ前に出し、骨盤を立てる。
- フットレスト活用: 左足で踏ん張り、下半身を安定させる。
- 隠しランバーサポート: 純正の見た目のまま、内部を補強する。
- 高機能クッション: EXGEL等の薄型・高性能品で衝撃をいなす。
- エスケレート: 最終手段として、純正美学を守れる専用シートを選ぶ。
いきなり高い買い物をする必要はありません。
まずは今週末、Step1のドラポジ調整から試してみてください。
あなたの愛車が、腰の不安なく、心から「人馬一体」を楽しめる相棒に戻ることを願っています。
[参考文献リスト]
- マツダ ロードスター 電子取扱説明書 – マツダ株式会社
- EXGEL (エクスジェル) 自動車用クッション – 株式会社加地


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